新型インフルエンザ:ワクチン「原則2回」 行政判断で方針転換--厚労省

新型インフルエンザ

足立信也厚生労働政務官は20日、新型インフルエンザのワクチン接種について、20~50代の医療従事者以外は当面、原則2回接種とする方針を発表した。今後、妊婦や中・高校生を対象にした小規模の臨床試験を追加実施し、結果次第で1回接種への変更も検討する。16日に厚労省が開いた専門家会議では「13歳以上は原則1回」の意見で一致していたが、行政判断でこれを覆した。

 厚労省はこれを受けて、新たな接種スケジュールを示した=表。高校生と65歳以上は輸入ワクチン、それ以外は国産を使う。11月中旬から妊婦、下旬から中・高校生それぞれ数十人に臨床試験を実施。1回接種が妥当とされた場合にも、基礎疾患のある人は医師の判断で2回接種も認める。

 厚労省は当初、全員2回接種としていた。だが、健康な成人を対象にした臨床試験で、1回で十分な免疫効果が得られるとのデータが出たことなどから、16日の専門家会議では13歳以上を1回接種とすることでまとまった。しかし、19日に改めて足立政務官が別の専門家を加えた会議を招集すると、1回接種に否定的な声が相次ぎ、方針が改められた。

 足立政務官は19日の会議について、16日の結果に異論があったため新たなメンバーを指名したと説明し「科学的、医学的に正しいとされたものが、すべて行政判断にならない部分はある」と述べた。【清水健二、関東晋慈】

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